2014

the whole world is peaceful.

だから、ゴミをまき散らしながら、日常の風景を書き換えていくのである。

http://ameblo.jp/philosophysells/entry-11190461401.html

デモ行進が行われた大通りの向こうから、何やら緑色の軍団が「グイーン」という音をたてながらこちらに向かってくるのだ。何だあれは!

あれはパリの清掃人の方々、そして清掃車である。彼らは緑色のつなぎを着て、プラスチック製の、これまた緑色の繊維を束ねたホウキ(要するに日本の竹ぼうきをプラスチック製にしたもの)で路上のゴミを集めながらこちらに向かってくる。その後ろをゆっくりと進んでくるのが数台の緑色の清掃車。そのフロント部には二つの大きな回転式たわしのようなものがついていて、それが「グイーン」という音をたてながら、清掃人たちが集めたゴミを次々に吸い込んでいく。

パリのあの群衆を見ていると、「こんなものがよくふだん統制されているな」とある種の感慨を覚えるのだ。「こんなもの」がふだんは学校に行ったり、会社に行ったりしている。それは一種の奇跡であって、奇跡が日常的に行われている。

なぜパリのデモはゴミをまき散らすのか。デモはほんのすこしだが秩序の外に触れている。だから、ゴミをまき散らしながら、日常の風景を書き換えていくのである。あのゴミの一つ一つが、秩序のもろさの証拠である。

だからこそ、その証拠はすぐに跡形もなく片付けられるのだ。日常的に奇跡が起こっているという事実は知られてはならないのである。

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