最初にお断りしておかなきゃいけないんですが、僕自身はデジタルメディアにはからきし弱いんです。普段、パソコンやタブレットで音楽を聴くこともないし、スマートフォンに楽曲を入れるやり方も分からない。なにせ移動中はいまだ"CDウォークマン"を愛用している人間なので(笑)。新しいサービスには全然対応できてません。ただ僕は、音楽家であると同時に、職業選曲家でもあるので。1日の中で、ジャンルにかかわらず雑多な音楽を聴いている時間はかなり長いと思います。未知の音楽との出会いは、やっぱり友達からのリンケージが多いかな。あとは普通に自分の情報網に引っ掛かった作品を買ったり。バックパッカーが放浪の旅に出るみたいに、まったく知らない作品を試し買いするという経験は、滅多にないですね。
例えばCDショップに行って気になるアルバムをピックアップし、「今日はどれを買おうかな」って考えていたわけですね。欲しいアルバムを5枚選んで、その中から悩みに悩んで2枚落とす、みたいな。これは実は、配信ビジネスの登場後も変わっていません。「楽曲配信でマーケットが変わる」と主張する人もいましたが、僕はそうは感じなかった。マテリアルとしてのCDがデータに置き換わっただけで、"選んで、買う"という根本の営為は同じだからです。
しかしやっと、震災以降のテレビ見っぱなし癖が抜けつつあり、とはいえやはり毒を持って毒を制するしか無いのか、ただ止める事は出来ず、読書を増やす事で何とかテレビを抜いている感じですが、最近はなんとCDウォークマンを買いまして、勿論iなんとかの類いは一切持っていませんので、携帯再生機を買うのは80年代以来なのですが、我ながらいやあーまあこれ何と言うか、たとえば可愛い小鳥ちゃんに「菊地の文章は長くて読みづらいぴよぴよ〜あいつメンド臭いぴよぴよ〜」等と美しい声で啼かれては、砕いた生米を節分の豆まきのときの様ぶわーっと撒き「小鳥ちゃん小鳥ちゃん向こうに行って好きなだけ遊んでいておくれ、ワタシの家の庭に来ても君たちが食べる物はもう何も無いんだよ」と嘆願するも、小鳥ちゃんもしつこく、なかなか許してくれませんので、「最近は移動時にCDウォークマンでCD盤を回転させながら古くさーいイヤホンで聴いています」と言えば、さすがに「ダメだこいつもう。捨てよう」と、小鳥ちゃんの脳(直径3ミリぐらい→愛玩鳥平均)でもやっと真実を解ってくれるかも!とウキウキしています。最近は運動をする時にマイルスの70年から引退までのブートを聴いていますが、つい運動しすぎてしまうのが玉にキズですね。とか言っちゃってバカとはこのことでしょう。
3)盤が余り出ずにライブの高音質配信プロダクツが一杯出て(ワタシ個人的にアレ、好きとか嫌いとか言う前に聴けません。CDウォークマンしか持ってないので)
いつもワタシは「実際のライブを観ないとワタシの事はびた一文も解りません」と、残酷な真実を書いてしまっており、「だったらツアーに来てよ」と言われると、我が口から出た言葉の残酷さに打たれてしまいそうになりますが、とはいえ残酷とてテーゼはテーゼでして、調査した訳でもない事をレポートとして提出するつもりは去りませんが、多くの方が「ホントだその通りだ」と思われたと確信しています。もう一度申し上げますが、他の方ならいざ知らず、少なくともワタシに関しては、実際に演奏している所を見て頂く事に勝る経験はありません